2017年6月15日木曜日

【アクターズラボ】ご来場ありがとうございました。

広島アクターズラボからうまれた五色劇場試演会「新平和」、無事終演いたしました。
本番直前で役者の降板があったり、狭いお席へのご案内などで、ご迷惑をおかけした皆様、申し訳ありませんでした。
その上で、ご来場くださったみなさま、お力添え下さったみなさま、本当にありがとうございました。
Facebookやツイッター上に、感想をあげて下さっている方も多く、感謝の念に絶えません。

ただ、殊日本人的と言いますか、大変な思いをしたものに関して人はどうしてもいい感想にしか目を向けにくい、耳を傾けにくい傾向を否めません。また、書かれる方もどうしても批判的な事はweb上などでは声をあげにくいと思います。
わたしは制作と言う立場上、来てくださいと言ってチケットを売り、そのあとには好評を拾って次につなげる作業をしておりますが、心底それに没頭しないようにしています。うまく言葉にできませんが。

「すべての人にとって面白い」「誰にとってもいいものだ」と言うものは存在しませんし、演劇はそうあってはならないと思っています。
良いと思う人もいれば、イマイチだと思う人もいる、不愉快だと思う人もいらっしゃるでしょう。それが、健全であり、演劇を自由に観る大事な要素だと思うのです。
「時間をかけさせてお金をとって不愉快な思いをさせるのか」とお叱りを受けるかもしれませんが、それでも、わたしは足をお運びいただいたことに感謝の気持ちをお伝えすることしかできません。
我々は、いつでもそういう不安の中に居なければならないと思っています。
楽しんで頂きたいと思う反面、その中で責任をもって作品を打ち出す勇気を持ち、やり抜かねばなりません。
絶対大丈夫、これなら誰も不愉快にさせないし、怒られない、やってるみんなもしんどくなくてお金もかからなくて楽しくてハッピーオンリー、という安心と安全にくるまれた毒にも薬にもならない創作だけは、やらない様にしたいと思っています。

それがその人にとって、良い物か良くないものかは主観ですから、こちらではどうすることもできませんし、操作してはならないものです。
しかし、可能な限り良い物であって欲しいと思いながら創ります。そして最低限の責任として、提供するものは丁寧で良質な仕事でなければ、と思っています。
ポテトサラダが嫌いな人にとっては、それがどんな良い野菜でどんな良い調味料でどんな辣腕の料理人によるポテトサラダであろうとキライなはずです。だからと言って、悪い野菜を使ったり、調理に手を抜いたりすることは許されない。提供するポテトサラダは今自分ができる最良のものをお出しせねば。そこまでした上で「そもそもマヨネーズ嫌いだから」と言われたいと思います。
それが、不特定多数の方に作品を提供する責務だと思っています。

今回の作品でも、称賛してくださる方がいらっしゃる反面、厳しい感想をお持ちになった方もいらっしゃると思います。
その事も忘却せず心に留め、研鑽を重ね、真摯に向き合い、クオリティを高めながら未来へつなげていく所存です。
本当にどうもありがとうございました。

舞台芸術制作室 無色透明  岩崎きえ

終演・バラシ後、オペ席に演出の柳沼さんの台本置き忘れられていて、
自分の本番のダメ出しが記入されているのではないかと群がって確認する役者たち(笑)

ありがとうございました!