2018年3月12日月曜日

【演劇とお金のこと】読んでいただきたいメッセージ。

烏丸ストロークロックのクラウドファンディングについて、前回の記事にしましたが、そのことについて柳沼昭徳氏がHPに記載されています。

柳沼昭徳より『まほろばの景』を終えて。そして《烏丸ストロークロック友の会》について
http://www.karasuma69.org/posts/3839155?categoryIds=134012


わたしも制作者として、演劇とお金のことについては常に向き合ってきましたが、柳沼氏がここで書かれているほど、そのすべてを記載することは今までできませんでした。
様々な理由がありますが、どこかで後ろめたく、自虐的であるからかもしれません。この国での東京以外の地域で、小劇場演劇の興業がいかに困難か、語ったところでどうにもならない、と思っているからかもしれません。
自身の劇団の主催公演の裏側の事情を、「私たちだけでなく他の団体さん、アーティストの皆さんは、舞台上では美や理想を求めながらも、どこまでもシビアな現実とつかず離れず、あれやこれやの工夫と努力をしながら作品を作っています」ということを前おいて、集まったお金の使い道を細部まで書かれることは、ほんとうにすごいことだと思います。

演劇を知らない方には想像つきにくいかもしれませんが、ここで柳沼氏が書かれている「京都・東京公演」は日数にしたら2週間もない公演日数です。多くても木・金・土・日、で演劇は上演されるからです。
そのことに、BMWのクーペが新車で買えるくらいの経費がかかるのです。

それでも、関わる人間の細部にまで真っ当な人件費が十分に支払えるわけではないのは明らかです。現にわたし自身、本来試算でかかる公演経費を26%くらいにまで圧縮することがほとんどで、残りの74%のほぼほぼがだいたい人件費だからです。
こんなこと、あってはならないと心のどこかで思いながら、申し訳なく、落ち込みながら、それでも、作品を発表したいという気持ちには代えられない。それを解り合えるメンバーとだから、創作ができる。
バカじゃないかと、想われるかもしれません。
しかし、資本主義経済において演劇が無価値ではないことを、諦めないでわたしもやっていこうと、襟を正される思いがしました。
クラウドファンディングは、今日の夜21:00までです。
詳細ページ→https://motion-gallery.net/projects/karasuma69_mahoroba